パッケージデザイナーから見たローソンのリニューアルの件(後編)
こんにちは!デザインコです!
最近話題のローソンパッケージのリニューアルの考察の後編になります!! 前回では、割とポジティブな事を書きました!
design-no-torisetsu.hatenablog.com
今回の後編はネガティブな部分や、こう改善するべきでは? と思うところ等を書いていきます! ※あくまで個人的な意見です。
前編を読んでいない方は先に読んでくれるとより理解が深まると思います!
この記事はこんな人にオススメ
- ローソンはなんでこんなパッケージにしたのか教えて!
- どこがいいの?もしくはダメなの?
- リニューアルした事で何か使い道が増えるの? 等々の疑問がある人
Twitterでの意見
Twitterでこんな意見があるようです。
一部はまぁそういう意見もあるよねーといった感じですが、
これはいただけないと思うものもΣ(゚∈゚;)
ローソンPB商品の新パッケージ、どれが何やら見分けがつかず超不便。眼鏡を忘れてきたので、いちいち手に取らないと商品名が読めなかった。なんでこんな反ユニバーサルデザインを採用するのかな pic.twitter.com/SsI7r4EuMK
— junkTokyo (@junktokyo) May 17, 2020
割とローソンの新デザ容認派だったんだけど、さすがに「点線まで剥がして」の"点線"が全然見つからなくて、ようやく見つけたとき「は?なんやこれ正気か?」てなったわ😂 pic.twitter.com/ZlHuUhB23i
— 浅羽なち (@nachi_loco) June 14, 2020
ローソンは失敗したと思うの。惣菜パッケージデザインが一新されたんだけど、一見してそれが何であるか全くわからないし、料理の画像が小さすぎてシズル感もないワ。棚がクローム色一色。誰よこれ作ったの。ファミマやセブンと勝負にすらならないわよこれじゃ😟#ローソンPBに思う pic.twitter.com/bXliLKG0PW
— うすあじ子 (@yO59oH0IT8Gdks8) June 20, 2020
このデザインの気になるところ!
文字やイラスト(写真)の小ささ
特に気になる部分として、今回のデザインをお洒落にしている部分でも あるんだけど、イラストや写真(シズル)が極端に小さい!( ˘⊖˘)
振り切ってこのデザインにしているのはわかる。 が、店頭でお客さんが「この商品はなんなのか?」がぱっと見わからず、 目の悪いお客さんや、年配の方などには優しくない。
逆に文字、イラストや写真(シズル)大きくなると 分かりやすいけど、他社と差別化できない&野暮ったくなる(普通っぽい) なので「お洒落な印象」を商品の分かりやすさよりも優先したから こういったデザインになったんだろうね。
※補足
パッケージデザインの業界では一般的な話だけど、 基本的にパッケージっていうのは商品棚で目立ってナンボ、手にとってもらえてナンボの世界だから目立つものが多い。
スーパーやコンビニを見るとわかるけど、ある程度離れた距離からでも分かりやすい(内容がわかる)ものが普通。そこと逆行しているので、お洒落さを求めてないローソンのユーザーは不満に思うかもしれない。
(その逆行している分余白のあるデザインが品質感やお洒落さを 醸しているという事でもあるんだけどね!)
全部似ているから間違えやすい
いわゆる、判別性や識別性という部分が不足している。
PB(プライベートブランド)商品なのでデザインパーツや レイアウトが同じになり、どうしても似やすいという特徴はあるんだけど、 今回ローソンは特徴的なデザインにしてしまったため、 より判別性や識別性が欠如する結果となってしまった…
これは、本来普通のPB商品だと、
⑴ PB商品の「統一された部分」→同じデザインパーツ
⑵ PB商品の「識別性部分」→商品名、写真やイラストの違い
といった感じで、⑴でPBらしさを作りつつ、⑵の部分で判別性や識別性を担保している。
これが、ローソンデザインの場合、 商品名は勿論、写真やイラストに当たる部分が、極端に小さいために余計に商品の見分けがつきづらくなったというわけだね!
どう直せば良くなる?
上では、商品は見分けがつきづらい理由などを話したけど、 それを改善する上でどうすればいいのかをここから話すよ!
パッケージデザインでの工夫
まずは、一番簡単なパターンだと、商品名、写真やイラストを大きくする。
これは上でも述べたし、説明不要だよね。 丁度今セブンのデザインもリニューアルされてるみたいだけど、 極端にいうとこんな感じ。
他やれそうなパターンとしてイラストを削除して、真ん中のメインの写真だけ大きくする。 これはあまり印象は削らずにある程度商品がわかりやすくはなるはず! でも、周りのパラパラとしたイラストを取ると、多分物足りない見た目になるから、 薄っすらと同系色のイラストを周りに残すとかでもいいよなーというか、僕ならそうする。
はがせるシールでの工夫 いわゆるキャッチシールとか言われるものなんだけど、 化粧品とか、しばらく家に置く商品ってシンプルなデザインが 多いよね?でもシンプルだと伝わらないから、商品にデカデカ「潤い成分●●配合で 朝までうるツヤ!」とか、商品性をそのシールで補助するんだけど、 それをうまく利用するってのも一つの手だね。 虫が嫌がるスプレー出してる会社も最近は虫をパッケージに載せずに パッケージはシンプルにしてキャッチシールとかで必要な情報「虫に効く!(虫イラスト)」を載せる。 これと考え方的には同じ!
棚での工夫
商品をできるだけ変えずに、となった場合、 棚で工夫というのも一つの手。
商品ジャンル毎に仕切りをつけたり、 商品名プレート部分をカラーにして商品名を 大きくしたりするだけでも分かり易さは変わってくる!
後はポップだね。
よくドンキがやっているかと思うけど、 もっと大人しくしたようなヤツを貼っても分かりやすくなる。
以上が出来そうな工夫やReデザインになるけど、 ローソンの社長もアクションを起こすようだから、実際にこれからどう変わっていくのか注目だね!
好きな人と嫌いな人は何故そう思う?
ローソンのパッケージが好きな人は何を思う?
ローソンのパッケージが好きな人はオシャレに対しての感度が高い人が多い。
そういった人は、自分の部屋に置くものにも気を配ったりするし、生活感を出さないようにするためにお洒落なものを普段から好むため、「可愛い」とか「オシャレだな」といった感性や知識がある。 そういった感性を持ってる人が今回のデザインを「余白があって上品だな」とか「ペールトーンで柔らかな印象が心地よい」とか「かわいい!パケ買いしよう」と感じるのでは無いかと私は思う( ˘⊖˘)
ローソンのパッケージが嫌いな人はどんな人?何故嫌い?
これ大きく2つに分かれる。
「お洒落になる事で欠如したわかりづらさで嫌」という人と、 「そもそもオシャレに興味ないから意識高そうで嫌」という人。
前者はいつもの商品がどこにあるかわからん!とか、 探しにくいとか、商品を間違えやすいから嫌というタイプ。
後者はそもそもオシャレやデザインに興味がなかったり、 ローソンPB品のデザインをリニューアルした意味がわからない人。 意識高そうな物が嫌いなタイプ。
あえて振り切ったデザインにすると、 ターゲットがはっきりして好き嫌いも顕著に別れるのが面白い所だね!
まとめ
パッケージデザイナーから見てこれはアリか?なしか?!
デザインの方向性としてはアリ!だけど、 ちょっとおざなりな部分が多すぎて、そういう意味では まだ結論が出しづらいというのが正直なところ。
というのも、こういうパッケージって、お客さんが実際にみるであろう 場所に置いたりして、どういう見え方をするのか、どこかおかしいところは ないかとか、チェックするんだよね。
それをしていて気づかなかったのか、 それともしていなかったのかわからないけど、あまりにユーザーに 優しくないパッケージだというのが感想。(パッケージの大前提を無視しすぎている)
ただ、良くも悪くも今注目されていることはすごくいい事で、 ここからお客さんの声を受け入れる姿勢を持ちつつも、今のデザインの良さをキープしてブラッシュアップしていけば強いPBブランドになっていくことは間違い無いので、 いい方向に進めばいいなーとは思う。(成功例として、色々企業が新しいデザインに 寛容になればもっと楽しいデザインが増えてきっとみんなも楽しいと思うから・・・)
なので、ブラッシュアップをしていく、お客さんの目線で商品を 考えていくという前提なら僕はアリかな!
以上がローソンPBデザインのリニューアル記事(前編・後編含め)でしたが いかがでしたか?
これからもマイペースに面白い記事を 書いていくのでよろしくお願いします!!